スポーツトレーナーを目指す方の中には、「必要な資格がある?」「どのような資格が役に立つ?」と疑問を抱く方もいるでしょう。
そこでこの記事では、資格取得の必要性、そしてスポーツトレーナーに役立つ資格について解説します。
加えて、スポーツトレーナーになるための方法もまとめていますので、就職や転職をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
結論からお伝えすると、スポーツトレーナーになるために必須とされる資格はありません。
例えば、弁護士や税理士のように業務を行うために必要な国家資格はないため、無資格でも知識と技術さえあれば、スポーツトレーナーとして働けます。
しかし、資格を取得しておくと自分の知識や技術の専門性を証明できます。特に、医療関係の国家資格は取得難易度が高く、企業からの評価が高いです。
また、スポーツトレーナーに役立つ資格には、国家資格と民間資格があります。国家資格は、国の法律に基づいて個人の能力や知識が一定の水準以上であることを証明する資格です。
対して民間資格は、民間団体や公益法人などが独自に認定しています。民間資格でも、知名度や有効性、公共性のある資格が多くあります。
前述のとおり、スポーツトレーナーの資格取得にはメリットがあります。ここでは、具体的なメリットについて見ていきましょう。
スポーツトレーナーとして働く方の大半は、「柔道整復師」「鍼灸師」「理学療法士」などの国家資格を取得しています。
スポーツトレーナーは、アスリートのケアのために医療行為をする機会がありますが、無資格者が医療行為をすると違法となってしまいます。
しかし、資格を有していれば、クライアントにケガなどのアクシデントがあっても素早いケアが可能なため、取得する方が多いのです。
国家資格は、国の法律に基づいて個人の能力や知識が一定の水準以上であることを証明する資格です。また、民間資格も特定の法人が特定の能力を持っていることを証明するため、第三者にスキルや知識、能力を証明できます。
有資格者と無資格者では、クライアントからの信頼度が異なります。特に初対面の場合、クライアントがスポーツトレーナーの技術や専門性を把握することが難しいです。そのため、資格を保有していることで、クライアントへ好印象を与えられる可能性があります。
資格を保有していると、就職や転職においても有利に働きます。特に、国家資格は取得難易度が高いため、高評価している企業もあります。
採用側の立場からすると、面接の場で「求職者の知識と技術がどの程度あるか」を正確に推し量ることは困難です。このため、資格を取得していることで、どの程度の知識があるかを一目で判断できます。
また、資格取得のために継続して勉強などを行っていることを証明できるため、「継続して努力ができる」という印象を持たれる場合もあります。
スポーツトレーナーは、トレーニングや健康管理だけでなく、ケガの予防やリハビリテーションなど多方面でクライアントを支える職業です。
そのため、スポーツの知識に限らず、医療知識や栄養学、生理学などのさまざまな分野の知識が必要です。
資格取得を目指すことで、スポーツトレーナーに必要な知識が身につけられるため、実際に仕事を行ううえで役に立ちます。
スポーツトレーナーを目指す方は、以下の国家資格を取得することをおすすめします。
ここからは、それぞれの資格の特徴や取得方法について解説します。
柔道整復師は、骨や関節などにおける外傷性の骨折や脱臼、打撲などのケガに対して、手術をしない「非観血的療法」によって治療します。
非観血的療法は、骨を正常な位置に戻す整復や固定などを行い、人間の持つ治癒能力を引き出すことが可能です。また、テーピングを使った骨の固定や、運動指導などのトレーニングを指導する後療法なども行います。
柔道整復師の資格を取得するには、都道府県知事が指定した専門の養成施設か文部科学省が指定した4年制大学を卒業する必要があります。
大学では、基礎系科目(解剖学・衛生学・公衆衛生学など)と、臨床系専門科目(柔道整復理論・外科学・リハビリテーション学など)を履修したうえで、国家試験に合格することが必要です。
鍼灸師は、鍼(はり)と灸(きゅう)を使って全身にあるツボや筋肉に刺激を与えて治療します。
鍼灸は東洋医学の治療法の一つで、自然治癒力を高めたり、病気の改善や予防、健康回復の効果があるとされています。
「鍼師」と「灸師」は、それぞれ別の国家資格です。両方の資格を取得した方を、鍼灸師と呼びます。
鍼灸師の資格を取得するには、厚生労働省が認定した鍼灸学科のある4年制大学や3年制短期大学、専門学校を卒業する必要があります。
大学では、基礎系科目(解剖学・衛生学・公衆衛生学など)と、臨床系専門科目(東洋医学概論・リハビリテーション学・はりきゅう実技など)を履修したうえで、国家試験に合格することが必要です。
理学療法士は、リハビリテーションの専門家です。英語表記ではPhysical Therapistとなるため、これを略して理学療法士をPTと呼ぶこともあります。
理学療法は、病気やケガなどによって事故や病気で後遺症のある方や、障害が発生する可能性がある方に対して治療を行います。
治療では、基本動作能力(座る・立つ・歩くなど)の維持・回復を目的に、運動療法や物理療法(温熱・電気などの物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いた手法が行われます。
理学療法士の資格を取得するには、文部科学大臣が指定した4年制大学・短期大学・専門学校などの養成校で3年以上学び、決められた課程を修了後、国家試験に合格することが必要です。
あん摩マッサージ指圧師は、あん摩、マッサージ、指圧の技術を用いて、身体に起こる変調を緩和させます。専門的な知識や技術を基に、身体の回復やコンディションを整えるため治療を行います。
あん摩マッサージ指圧師の技術は、東洋医学に基づいたもので、基本的に器具を用いず素手で施術します。クライアントの身体を「なでる・押す・揉む」ことで血の巡りを良くし、筋肉の緊張や痛みを和らげたり、リンパ液の循環を促進したりします。
あん摩マッサージ指圧師の資格を取得するには、高校卒業後に文部科学大臣または厚生労働大臣の指定した養成施設で3年以上学び、国家試験に合格することが必要です。
国家資格に続いて、おすすめの民間資格を紹介します。
それぞれの資格の特徴や取得方法について見ていきましょう。
アスレティックトレーナーとは、スポーツトレーナーの一種です。医療部門に明るい専門的なトレーナーのことを指します。
アスレティックトレーナーは、クライアントに健康管理やケガの予防、救急処置、リハビリテーションなどの医療的なサポートを行います。そのため、アスレティックトレーナーは医療とスポーツを繋ぐ存在といえるでしょう。
アスレティックトレーナーには二つの民間資格があり、そのうちの一つが「ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会」が認定する、ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会認定アスレチック・トレーナー(JATAC-ATC)です。
JATAC-ATCは、資格というよりは称号に近いもので、協会の正会員として登録することで名乗ることができます。
正会員になるには、NATA認定トレーナーもしくは日本体育協会認定アスレチック・トレーナーの資格を有しているか、特定の医療系の資格を取得している方が、協会認定の講習を受ける必要があります。
JATAC-ATCは、試験に合格すれば取得できるトレーナー資格ではないため、取得する条件が比較的厳しい資格といえます。
しかし、既に条件に合致する資格を有していれば、JATAC-ATCになるのは難しくないでしょう。
アスレティックトレーナーの二つの民間資格のうち、もう一つが日本スポーツ協会が認定する「日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)」です。
資格を取得するには、まず日本スポーツ協会や加盟団体などが開催する養成講習会を受講する必要があります。受講には年齢制限があり、受講できるのは受講する年の4月1日に満20歳以上の方です。
養成講習会を受講すると理論試験と実技試験を受験でき、基準を満たして合格すると資格を得られます。JSPO-ATは難関資格といわれ、合格率は10%程度です。
健康運動実践指導者は、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定する民間資格です。
医療分野の基礎知識や、運動に関する生理学の知識などを身につけ、健康になるための運動指導が行えることを証明する資格です。
また、積極的な健康づくりを目的とした運動計画を作成し、安全かつ効果的に実践指導を行うこともできます。
健康運動実践指導者の資格を取得するには、健康運動実践指導者養成講座を受講するか養成校の養成講座を修了し、そのうえで認定試験に合格することが必要です。
スポーツトレーナーを目指したい方は、どのように知識や技術を取得するとよいのでしょうか。ここでは、その方法について紹介します。
スポーツトレーナーを目指す最も一般的な方法は、体育系や医療系の大学や短期大学、専門学校に通って必要な知識と技術を習得する方法です。
体育系の大学や専門学校で学ぶなら、「スポーツ科学科」や「健康科学科」、「体育・健康科学系学部」「スポーツ関連学科」「アスレティックトレーナー科」「スポーツトレーナー科」などが選択肢として考えられます。
治療を目的とした医療系の大学や短期大学、専門学校の学科でも、スポーツトレーナーに必要な知識と技術を習得できます。そこで得た知識や技術を基に、スポーツトレーナーに有用な資格を取得していきましょう。
スポーツトレーナーを目指すなら、実践経験を積める職場に勤務する手もあります。
アルバイトや、学生であれば部活のマネージャーなど、実務経験が学べる場所は多数あります。資格や知識の勉強を行っている最中でも、このように実践できる場所を探し、スキルを身につけることでより良いスポーツトレーナーになれるでしょう。
医療系国家資格を取得している方の場合、スポーツ専門の整体院などで働きながらスポーツトレーナーを目指す方法もあります。
柔道整復師や鍼灸師などの医療系国家資格を取得する過程では、スポーツトレーナーに関連する知識や技術を十分に学べない可能性があります。その場合は、別途スポーツトレーナーに関する知識や技術を身につけることが必要です。
そのためには、既に取得している医療系国家資格を生かせる場所で働きながら、実務を通じてスポーツトレーナーとしての知識と技術を吸収するとよいでしょう。
ここまで、スポーツトレーナーに関する資格を紹介しましたが、「ストレッチトレーナー」という職種があることをご存じでしょうか。
ストレッチトレーナーとは、ストレッチの技術や身体の仕組みを学んだトレーナーのことです。
Dr.stretchでは、ストレッチトレーナーが「コアバランスストレッチ」をベースにした専門性の高い技術でクライアントをサポートしています。
コアバランスストレッチは、メジャーリーガーのボディメンテナンスを起源としており、アスリートのパフォーマンス向上のために生まれました。
現在、ストレッチ専門店のDr.stretchは、世界で200店舗以上展開しています。また、これまで1,500名近くのストレッチトレーナーを排出してきましたが、その9割が実は未経験者です。
スポーツに関わる仕事がしたいと考えている方は、Dr.stretchでストレッチトレーナーを目指してみませんか?
トレーナー育成スクール「MGA(メディカルグローアップアカデミー)」では、スポーツ選手のために必要なストレッチやトレーニング方法を一から学ぶことができます。
トレーナーとしての知識が全くない方でも入学可能で、MGAに通うことにより、CBSTライセンスを取得できます。
CBSTとは、前述した「コアバランスストレッチ」の略称であり、MGAでしか取得できないライセンスです。
CBSTライセンスの取得でコアバランスストレッチを提供できるようになるだけでなく、他にも以下のことが可能となります。
無料体験セミナーも行っていますので、興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。